カッコいいフミくんをみたかったわけじゃなかった

※あるモブフミさんファンの気持ちで書いた冬公演後のお気持ち表明ブログです。全部妄想妄言です※


ユニヴェール歌劇冬公演観てきました。私の好きなアルジャンヌはどこにも居ませんでした。


私はフミくんこと高科更文くんのファンです。ファン歴は今年で3年目、彼が1年生の夏公演からのファンです。


元々玉阪座の観劇は好きだったけど、ユニヴェールは所詮学生演劇だし……と思ってずっと見てませんでした。立花継希くんファンの知り合いに譲ってもらったチケットがたまたま手に入って、その日たまたま予定が無かったから暇潰し程度に足を運んだ舞台に、彼はいました。


継希くんのオーラ、華は本当に凄くて眩しくて目が焼かれるんじゃ無いかと思うほどでした。その隣で歌い、踊っていた金髪でルビー色の瞳をしたアルジャンヌはそんな継希くんに食らいつこう、負けるものかといった様子でした。真っ赤な瞳は客席全てを射抜くような迫力があり、怖いほどでした。でも演技のターンになるとどこまでも慈愛に満ちた瞳で舞台を包み込むんです。継希くんが天才なように、彼もまた天才だと、雷に打たれたような衝撃でした。

彼は特にダンスが凄く、身体の全部を使ってしなやかに踊っていました。贔屓目抜きにダンスだけなら継希くんよりも凄かったし、オニキス生にも負けないバネを持っていました。骨格は少年のものなのに、どこまでも女性らしく、高貴で、品のあるダンスに私は魅了されました。


クォーツの舞台が終わった瞬間、私はすぐにパンフを買いにロビーに向かってました。恥ずかしながら当時の私は立花継希の名前しか知りませんでしたし、パンフすら買う気が無かったのです。

次のロードナイトの公演までの間にパンフレットを読み漁りました。クォーツのアルジャンヌの名前は「高科更文」。今年入学したばかりの1年生だと知りました。


正直なところ、フミくんとの出会いが衝撃的すぎてその後のロードナイトの舞台の内容覚えていません。フミくんが金賞を取ったとアナウンスされたところまでの記憶はぽっかりと抜け落ちてます。夢見心地で帰宅して、それからはとにかく彼の情報を漁りました。

新人公演でもアルジャンヌで金賞を取っている事。日舞のお家の出である事。次男だけどお家を継ぐのを嘱望されている事。とても気さくでファンサービスも手厚い事。地声は意外と高くない事。フミくんの人となりを知れば知るほど、彼にハマっていきました。


秋、冬、ユニヴェール公演と続く中でフミくんはぐんぐんと成長していきました。秋公演は芝居の緩急の付け方が上手になってて、冬公演では今まで以上に歌声に伸びが生まれ、ユニヴェール公演では、贔屓目抜きにユニヴェールの至宝と言われた立花継希くんの唯一無二のパートナーとして輝いていました。継希くんが卒業して大変になるのが分かっているフミくんの覚悟も垣間見えました。

フミくんはジャンヌだけど、中身はとっても男前で熱い人。だからファン目線では継希くんが卒業しても来期のクォーツに何も心配はありませんでした。「だってこんなにも素晴らしいアルジャンヌがいるんだから」その日の私の日記にはそう書かれていました。



私の願いは虚しく、77期クォーツは、クラスも、フミくんもとても苦戦していました。正直ファンとして応援するのとっても辛かったです。


フミくん自身はずっと金賞を取る演技をしていましたが、どこかいつも舞台上で寂しそうに見えました。今年に入ってから発売された雑誌でフミくん自身も2年の時は荒れていたと言っていたので、あの時の自分の感覚は正しかったんだなと思います。大きなステージで一人ぼっちの今年のフミくんを見るたびに去年のツキフミペアを思い出してしまったし、オニキスの海堂・菅知ペアを比べて悔しい気持ちになってました。きっとフミくんが一番ファンにされたくないことをやってしまっていた自覚はあります。でも、本当に過去に縋らないとファンやってられませんでした。

寂しそうで辛そうな中でもフミくんのアルジャンヌは誰よりも美しく、悲壮さすら演技に昇華させているように見えました。フミくんの歌声には舞台にかける溢れんばかりの愛があったし、それはきっとクォーツとユニヴェールという居場所にかける愛だったのだと思います。フミくんのダンスには一年の時以上の矜持を感じました。アルジャンヌとして輝いてやるというパワーに私は何度救われたでしょうか。

公演毎にフミくんのアルジャンヌをみれる喜びと、ひとりぼっちのフミくんを見なければいけないやるせ無さでごちゃ混ぜの気持ちになって。でも私はどこまでもアルジャンヌのフミくんに恋をしてしまっていたのでなんとか劇場に足を運ぶことが出来ました。


そして根地くんの転科、カイくんのジャックエース抜擢と、ここから先は知ってる方も多いのではないでしょうか。

フミカイペア、正直最初はめちゃくちゃ不安でした。でも、カイくんの隣にいるフミくんは舞台の上で孤独に見えなかったんですよね。カイくんがどんなフミくんでも寄り添おうとしてくれてて。

クラス順位なんか関係なく、やっとフミくんのペアが見つかったんだとあの日の私は思いました。カイくんは本当に凄くて偉大な人です。



だから、だから本当に私はミゲルとオー・ラマ・ハヴェンナを未だに受け入れられてないんだと思います。

今までの全部前置きです。やっと本題に入りますね。


2年ちょっとクォーツのアルジャンヌとして活躍してきたフミくんを応援している私にとって、フミくんがアルジャンヌでないこと、ジャンヌどころかジャックに転向するというのは正に青天の霹靂でした。

美ツ騎くんも希佐くんもとっても素敵な役者さんで、アルジャンヌの経験をする事に意味があるのは頭では分かります。継希くんとフミくんに頼りきりになってたことで崩れたクォーツを観てきたオタクなので、フミくんたちがいる間に新公以外で主役やらせたかったんだなって。ずっと最前線で戦うように演技してきたフミくんお疲れ様、後輩育成に注力できるんだね、という気持ちもあります。


秋公演のメアリーは怪演と呼ばずして何と呼ぶかという程に、フミくんの才能が開花していました。あそこまで舞台を純粋に楽しむように縦横無尽に使うフミくんを観たのははじめてでした。カイくん演じるジェイコブとの掛け合いも素晴らしくて、フミカイペアの事もっともっと好きになりました。

次のフミくん、アルジャンヌは一体どうなっちゃうんだろうと、秋公演の帰り道から次の冬公演が楽しみでした。


公演ポスターが公開されて、ざわつくタイムラインに嫌な予感がして。リンクを開いたらフミくんはジャックだし、カイくんの名前は香盤表の一番最後にあるし。

変わらないもの、終わらないものなんて無いのは分かってるけど。まさかフミくんの卒業前に終わってしまうなんて思わなくて。冬公演とユニヴェール公演のフミくんのアルジャンヌを目に焼き付けて、フミくんの卒業を迎えようと覚悟しようとしていたのに。覚悟する前に終わりがきてしまった。


どんな気持ちで観ればいいのか分からないまま、冬公演には足を運びました。

オー・ラマ・ハヴェンナ、正直めちゃくちゃ良い舞台でした。

ルキオラとチッチを中心に繰り広げられる人間の浅はかな姿、狡猾な姿、基本的にどうしようもないものを描いてるんですけど、そんな世界で懸命に生きる二人の友情最高なんですよ。

ミゲルも実質ジャックエースみたいなポジションで、フミくんの華は健在でした。ミゲル、今までと同じかそれ以上にキラキラ輝いてたから。きっとこのタイミングで新規ファンもついただろうなと確信が持てるほど良かったです。心配してたカイくんの神父も世界観に大事な役で、カイくんにしかやれない役だなと思いました。


でも、私はオー・ラマ・ハヴェンナもミゲルも否定します。


私はどこまでも女性を演じるフミくんのファンなんです。中身はとっても男前なのに、舞台に上がるとどんな女性にもなり変わり、美しい所作で場を支配するアルジャンヌ高科更文のファンなんです。

フミくんが、男の姿で男を演じるのを観たいわけじゃなかった。